カメラと旅をする

写真と音楽とスポーツでちょっぴり日々を彩ります♪

エリザベス女王の葬儀で演奏されたバグパイクについて解説

9月8日にエリザベス女王がスコットランドのバルモラル城で崩御されて以来、今月はイギリス王室の話題で持ちきりでした。

 

エリザベス女王は1952年2月に25歳で女王に即位しました。2022年でちょうど在位70年ですから、かなり長きにわたってイギリスを支えてきた方。よその国の出来事とはいえ、さみしいですね。

 

19日にウェストミンスター寺院で国葬が行われた際に、とても印象的なシーンがありました。

 

それが女王専属のバグパイプ奏者による演奏です。葬儀の後半に2分間の黙とうを行ったあとに、バグパイプの演奏と国歌斉唱があり、ジーンと胸を打たれました。

 

今回は、女王が心から愛したバグパイプのことを綴っていきます。

エリザベス女王の目覚まし時計はバグパイプ

エリザべス女王は毎日、バグパイプの演奏を聴いて、起床していました。女王の部屋の窓の下で演奏されていました。

 

君主の専属バグパイプ奏者(Piper to the Sovereign)はイギリス王室の役職として位置づけられています。歴史は古く、1843年にヴィクトリア女王の時代に設立されました。

 

【主な任務】

平日の毎朝9時から15分間バグパイプの演奏をすること

公式の行事で演奏すること

 

1843年当時、最初の専属バグパイプ奏者に就任したのはアンガス・マッケイ氏。それ以降、現在にいたるまで君主の専属バグパイプ奏者は10人ほどいました。第2次世界大戦中の一時期を除いて、ずっと毎朝演奏していたそうなので、歴史ある習慣が受け継がれています。

バグパイプはスコットランドの民族楽器

イギリスの正式な国家名は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」。

グレートブリテンはイングランド、スコットランド、ウェールズをさします。

 

バグパイプはスコットランドの民族楽器。バグパイプと似たような楽器はヨーロッパ全土や近東諸国などに分布しています。そのなかでも、スコットランドのバグパイプは「グレート・ハイランド・バグパイプ」と呼ばれています。

専属奏者ポール・バーンズ氏の演奏

エリザベス女王がご自身の国葬で取り上げてもらいたいことについては、生前にリクエストをしていました。それが次のことです。

 

・バグパイプの演奏

・聖書の朗読する箇所

・国葬に使用する音楽など

 

バグパイプの音を聴いて、目覚めていた毎日。エリザベス女王はバルモラル城での最後の朝もこのバグパイプの演奏を聴きました。この世を去り、永遠の眠りにつくときにもバグパイプの音を望まれたのは、女王の愛情を感じますね。


www.youtube.com

 

ところで、国葬のときにバグパイプを演した人は専属奏者のポール・バーンズ氏。スコットランド王立連隊の方です。

哀悼曲「Sleep, Dearie, Sleep(おやすみ、大切なあなた、おやすみなさい)」を演奏する姿は映画のワンシーンみたいで、心打たれた方も多いのではないでしょうか。

バグパイプとはどんな楽器?

バグパイプの「バグ(bag)」は袋、「パイプ(pipe)」は管のこと。見たまんまですね。袋は羊の皮をやわらかくしたものでできています。

 

パイプは息を吹き込むパイプが1本、ほかに4本の管があります。

その名の通り、パイプで息を吹き込むと、袋がふくらみ、その圧力でパイプから音がでる仕組みになっています。

 

オーボエやトランペットなどの楽器のように吹いて音を出しますが、大きな違いは音の強弱をつけられないことです。大きな音が一定の音量でずっと演奏される感じ。

バグパイプの音はなぜあんなにも音が大きいのか

実はバグパイプは楽器ではなく、武器として使用されていました。敵が攻めてきたときに、音で威嚇するためです。戦いの間中、軍楽隊のバグパイプ演奏が仲間を勢いづけるために、大音量の演奏を続けたということです。

まとめ

今回はエリザベス女王が愛したバグパイプについて、解説してきました。自らの国葬でもバグパイプの演奏をリクエストされた女王。愛情深い方であることが伝わってくるようです。

・エリザベス女王は毎朝、バグパイプの音で目覚めていた。

・国葬の時のバグパイプ走者は女王の専属バグパイプ奏者ジョン・バーンズ氏。

・バグパイプはスコットランドの民族楽器。

・もともとは楽器ではなく、武器として使用されていた。

今日もお読みくださり、ありがとうございます。