こんばんは。猛暑と大雨が交互にやってきていますね。
さて、少し前に、宇野昌磨選手の2022-2023のフリープログラムの楽曲について、ブログでご紹介させていただきました。
「G線上のアリア」+「めあとるめんたぷろぺらーて」を編曲したものを使うというお話でした。
その時はあえてあまり触れなかった、「G線上のアリア」について、今日は取り上げていきます。
THE ICE 2022で「G線上のアリア」を披露する宇野昌磨選手
アイスショー「THE ICE 2022」の模様はいつかのブログで動画を拝借して、ご紹介させていただきました。
「G線上のアリア」は優雅でありながらも、どこか悲哀を感じさせるのが、聴く人をひきつけてしまう理由ではないかなと。
バッハの曲は教会で演奏される曲も多くて、癒しや慰めを感じます。
スローなテンポでも緩急のある曲なので、聴いていると心が動かされますね。フィギアスケートのプログラムに選ばれやすいのも分かるような気がしました。
「G線上のアリア」の完成に向けて
アイスショーは新プログラムをブラッシュアップするために必要なステップ。
宇野昌磨選手もシーズン中の試合に向けて、こうしてアイスショーで腕試し。ここからもっと精度をあげていくんですね。
試合が始まるまでにはコーチと確認し合いながら、プログラムを完成させていくと話していました。
「アイスショーにたくさん出て、そこで新しいプログラムを皆さんに見てもらい、少しずつ完成を目指していきたいなと考えています。試合の何週間か前になったらスイスへ行って、ステファンコーチと練習をして。そんな予定をざっと立てています」
引用元:Web Sportiva
G線上のアリアの「G」とは?
「G線上のアリア」といえば、気になるのがこのタイトルです。
ヨハン・セバスチャン・バッハが作曲した「管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068」の第2曲「AIR(エール)」を、ドイツのヴァイオリニスト、アウグスト・ウィルヘルミ(1845~1908)がピアノと一緒に、ヴァイオリンを独奏するために編曲したものです。
「エール」はフランス語読み、英語では「エアー」、イタリア語になると「アリア」と読みます。
で、なぜ、「G線上のアリア」というのかです。
G線って何???
アウグスト・ウィルヘルミはこの曲がヴァイオリンの4本の弦のうち、いちばん低音のG音だけで演奏できることに気づいて、「G線上のアリア」と呼ばれるようになりました。
G音はドレミファソラシの「ソ」の音。ということは、「G線上のアリア」はソの音だけで演奏される曲です。
ちなみに、私のようなヴァイオリンに詳しくない方に向けてお話しすると、4つの弦とは、次のようになります。
E線(ミの音)
A線(ラの音)
D線(レの音)
G線(ソの音)
実際に、ヴァイオリンでG線上のアリアを演奏している動画をみつけました。
低音のG線だけを辿って、演奏すると以下のYoutubeのようになります(^^)
「G線上のアリア」を組み合わせたプログラムを演じたスケーター
宇野昌磨選手のように、「G線上のアリア」と別の曲を組み合わせて編曲したプログラムは、これまでどんなのがあったか、振り返ってみました。
動画を見ていて、オリジナリティを最大限に引き出すために、並々ならぬ情熱を感じました。組み合わせる曲次第で、イメージがガラリと変わります。
ちょっと気になったので、ピックアップしてみますね。
カロリーナ・コストナー
「G線上のアリア」というと、私はイタリアのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)選手を思い出します。
浅田真央選手と同じくらい、心に残る選手。
こちらは2009-2010シーズンのフリープログラム。
・「G線上のアリア」
・アントニオ・ヴィヴァルディの「チェロ協奏曲」
タイムスリップしますね~。
村主章枝
1998-1999シーズンの村主章枝さんのプログラムも印象的です。
・バッハの「トッカータとフーガニ短調」
・「G線上のアリア」
荒川静香さんと同じ時代に活躍されていましたよね。
アダム・リッポン
アダム・リッポン(Adam Rippon)の2011-2012シーズンのフリープログラムは
村主章枝さんと同じ。曲の順番は逆なのですが、それだけでもかなり印象が変わります。
・「G線上のアリア」
・「トッカータとフーガニ短調」
10年前は今みたいに何種類もの4回転ジャンプを飛んでなかったですよね。でも、そういう時代のフィギュアスケートも十分、美しいです。
まとめ
今回は「G線上のアリア」について以下のように解説してきました。
・アイスショーで新フリープログラムを披露。
・タイトルの由来に関する説明。
・「G線上のアリア」と別の曲を組み合わせて編曲したものを使用したスケーターの紹介。
なお、「ドリーム・オン・アイス2022」、「プリンスアイスワールド2022」などのアイスショーやイベント、宇野昌磨選手、鍵山優真選手のインタビュー記事などを整理した本があります。
今日もお読みくださり、ありがとうございます。